30歳目前サラリーマンがセミリタイアを目指す

社会人8年目の30歳目前のサラリーマンがセミリタイアを目指し、節約や投資を頑張る日記です

簿記 手形、電子債権

どうも、ユウです。

 

今回はかなり経理っぽい手形について解説したいと思います。

 

約束手形

まず約束手形とはというところからですね。

 

約束手形とは、小切手と同じような書類ですが、期日になったら銀行で取り立てられるという条件がついている書類です。

 

通常掛け取引は1ヵ月後くらいの支払いですが、手形では2~3ヵ月後の支払いにすることが可能です。

 

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数か月後に支払いの約束をするから今はこの書類を発行するね。期日が来たら銀行に持って行って取り立ててね。

 

という事です。

 

なら支払ったことにして手形渡してバックレたらどうなるの?と思う方いると思いますが、この約束手形というのは信用取引となっています。

 

もし1回でも手形を取り立ての際に口座の残高が足りなかったりでお金が支払えなかったら、不渡りという事になってしまい金融機関のブラックリストのようなものに乗ってしまいます。

 

銀行側が「〇〇会社は手形を支払えなかったのでお金を貸すのは止めよう。」ということにつながってしまい。営業活動にかなりの影響が出てしまいます。なので手形が不渡りになることは絶対に避けなくてはいけないのです。

 

ちなみに6か月以内に不渡りを2回起こすと、もう銀行と取引すらしてもらえなくなります。それだけ大切なものということです。

 

さて、本題に戻って手形で取引があった時の仕訳の確認をしましょう。

 

手形は小切手と一緒で受け取ることもありますし、発行することもあります。自分がどちらの立場なのかしっかり問題文を読んで理解しましょう。

 

ちなみに勘定科目は受け取った側、発行した側でそれぞれ

 

受取手形」(資産)

 

「支払手形」(負債)

 

となります。

 

 

小切手との違い

ここで小切手との違いを説明しておきましょう。

 

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まず小切手ですが、記載される日付は発行日当日の日付が記入されます。

 

また、他の項目としては金額と振り出した人の情報くらいしかありません。

 

出金伝票のようなものです。

 

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それに対して約束手形には、発行日、約束手形の受取人、支払期日、振出人と色々な情報が記載されます。

 

問題では受取人、振出人と書かれるので自分がどちら側の立場なのかを理解する必要がありますので、取引の流れ自体を想像することが重要となります。

 

 

例題をやってみましょう。

 

 

 

 

例.

A社より商品を100,000円仕入れ、代金は約束手形を振り出して支払った。

 

 

 

 

この場合の自分はどういう立場でしょうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

商品を仕入れて支払いをする立場ですね。

 

という事は仕訳をどのようにすればよいでしょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

借方 / 貸方
仕入 100,000 / 支払手形 100,000

 

このようになります。

 

 

仕入の金額が100,000円増えて後で支払う義務が100,000円増えた。ということです。

 

 

 

さて、この支払手形に期日が来て支払いが行われました。

 

その際の仕訳はどうなるでしょう。

 

 

例.

振り出していた支払手形100,000円が当座預金から支払われた。

 

 

ここまで勉強した方ならなんとなく仕訳が思いつくでしょうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

借方 / 貸方
支払手形 100,000 / 当座預金 100,000

 

 

このように仕訳を行います。正解しましたか?

 

 

 

 

 

では逆に手形を受け取った時はどうでしょう。

 

 

例.

B社へ商品200,000円を売り上げ、代金は約束手形で受け取った。

 

 

仕訳を考えてみましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

借方 / 貸方
受取手形 200,000 / 売上 200,000

 

こうなります。

 

ではこの手形を取り立てて入金された時は?

 

 

例.

受取手形200,000円を取り立てて、ただちに当座預金へ入金した。

 

 

 

借方 / 貸方
当座預金 200,000 / 受取手形 200,000

 

 

こうですね。取引でどのようなことが起きているのか、自分はどの立場なのかを想像して考えることがとても重要になってくるのでここでそのクセをつけておきましょう。

 

 

 

電子記録債権

今はこんな項目もあるんですね。私が学生のときはこんな項目ありませんでした。本当に時代の流れでしょうね。実務でも実際に使うことがある電子債権(電子記録債権)というものです。

 

 

この電子債権というものですが、読んで字のごとく、電子による債権の管理です。

 

ちなみに「債権」というのはお金をもらえる権利を言い、売掛金受取手形のようなものを指します。

 

逆の言葉で「債務」は買掛金や支払手形のような支払わなくてはいけない義務のことを言います。

 

 

銀行のシステムで支払い先や支払う金額、期日などを管理しています。

 

 

めちゃくちゃ早く言うとネットワークを使った約束手形

 

 

というところでしょうか。

 

勘定科目も

 

電子記録債権」(資産)

 

「電子記録債務」(負債)

 

 

 

細かい説明をすると電子債権を利用することによって、約束手形に貼らなくてはいけない収入印紙の節約。また、紙媒体での手形を紛失するというリスクを無くすという利点があります。

 

この電子債権は債務者(支払う側)請求方式と債権者(受け取る側)請求方式があって、基本的には支払う側が電子債権のシステムに登録を行います。

 

そして債権者に通知が届くというわけですね。

 

 

さて、例題を確認しましょう。

 

 

例.

当社はA社に対する買掛金100,000円の支払いを電子債権記録機関で行うため、取引銀行を通じて債務の発生記録を行った。

 

 

立場を考えてみましょう。

 

当社とは自分の会社のことです。

 

 

 

 

 

 

 

 

A社に対して当社が支払うという記録を付けた。ということです。

 

 

つまり借方は買掛金が入りますね。

 

 

借方 / 貸方
買掛金 100,000 / 電子記録債務 100,000

 

 

このようになります。

 

対して、A社側の仕訳はどうなるでしょう。

 

A社は当社に対して売掛金があった立場です。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

借方 / 貸方
電子記録債権 100,000 / 売掛金 100,000

 

このようになります。

 

 

 

 

さて、この債権債務も手形と一緒で期日が来たら決済されます。

 

その際の仕訳はどのようになるでしょうか。

 

 

例.

A社に対する電子記録債務100,000円について、取引銀行の当座預金からA社の当座預金口座に払い込みを行った。

 

 

 

 

当座預金からの支払いによってA社に対する電子記録債務が無くなるので、

 

 

借方 / 貸方
電子記録債務 100,000 / 当座預金 100,000

 

 

このようになります。

 

 

 

対して、払い込みがあったA社側はどうなるでしょう。

 

こちらも一緒の考え方ですね。

 

当座預金への払い込みがあったので電子記録債権が消滅する。ということは

 

 

借方 / 貸方
当座預金 100,000 / 電子記録債権 100,000

 

ですね。

 

 

 

 

債権と債務。一文字しか違わないし紛らわしいですが、意味合いは逆になってしまいます。権利なのか義務なのかしっかり覚えておきましょう。

 

 

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