どうも、ユウです。
前回までは代表的なものを確認してきましたが、今回はその他の債権と債務を見ていきたいと思います。
その他と言っても結構重要なこともあったりするので侮れません。しっかりと確認していきましょう。
未払金・未収金
まずは未払金と未収金です。
「未収金」(資産)
「未払金」(負債)
なんとなくで分かると思いますが、買った(売った)けどまだお金を払って(貰って)いないような状態のことです。
買掛金と売掛金みたいなものだと思いますよね?まったく一緒です。
なにが違うかというと売買した物です。
買掛金や売掛金は商品を売買した時に使って、未払金や未収金は商品以外のものを売買した時に使います。
商品以外のものというのは事務所で使う机だったりパソコンだったり車だったりですね。
そういったものを取り扱っている会社なのであれば買掛金・売掛金ですがそうでない会社は未払金・未収金となります。
例で確認しましょう。
例.
事務所で使う備品を1,000,000円で購入し、代金は月末に支払うこととした。
ちなみに、建物だとか車両だとか備品は固定資産と呼ばれるものになって、全額を購入した年の費用にすることはできません。
企業会計は適正な期間損益計算をしなくてはいけません。
逆に一括で費用で計上できてしまうと利益の操作が可能になってしまうからですね。
なので固定資産に属するものは一旦資産に計上して毎年の決算で少しずつ費用にしていきます。この手続きは後日まとめることにしますので、今回は固定資産は資産に計上すると覚えておいてください。
なお、備品はそのまんまの勘定科目で
「備品」(資産)
として計上します。
本題に戻って仕訳を考えると
借方 | / | 貸方 | ||
---|---|---|---|---|
備品 | 1,000,000 | / | 未払金 | 1,000,000 |
このような仕訳になります。
この後、月末に支払ったときの仕訳は
借方 | / | 貸方 | ||
---|---|---|---|---|
未払金 | 1,000,000 | / | 現金 | 1,000,000 |
こうなります。
買掛金と全く一緒です。使用する勘定科目が変わっただけですね。
最後に補足ですが、買掛金を使う場合と未払金を使う場合。これは問題文から読み解かなくてはいけませんが、「~仕入れた」という場合は商品を売買しているので買掛金を使用します。「~購入した」という場合は基本的に商品以外のものを売買しているので未払金。と見分けることができるので頭の隅に置いておいてください。
次は逆の立場になって備品を売った時を考えてみましょう。
例.
備品1,000,000円を売却し、代金は月末に受け取ることとした。
少し仕訳を考えてみましょうか。
借方 | / | 貸方 | ||
---|---|---|---|---|
未収金 | 1,000,000 | / | 備品 | 1,000,000 |
答えはこちらになります。
分かりましたか?
しっかり読んでいる方なら難しい問題ではないと思います。
売掛金と未収金にも問題文中で見分けるポイントがあって「~売り上げた」となっている場合は商品を売買しているので売掛金。「~売却した」となっているときは基本的に商品以外のものを売買しているので未収金を使用することが多いです。こちらも頭の隅に入れておくといいでしょう。
前払金と前受金
次は商品の売買の前にお金のやりとりをした場合です。
この場合はどうなるか確認していきましょう。
ちなみに勘定科目は
「前払金」(資産)
「前受金」(負債)
です。
払うなのに資産?受け取っているのに負債?
と思う方いると思います。結構ここでつまづく方多いです。
なんで資産なのか。なんで負債なのか。ひも解いて考えてみましょう。
自分が購入してお金を払う立場の場合、先にお金を渡してしまえば後は商品を受け取るだけになりませんか?これは貰える権利と言えるでしょう。
「権利」なので資産です。
逆に自分がお金を貰って売る立場になった場合、先にお金を貰ってしまったら後は商品を渡さなくてはいけません。これは果たす義務と言えるでしょう。
「義務」なので負債になるわけです。
少し難しく考えすぎてしまったかもしれませんが、後で何かプラスのことがあれば資産で計上しておく、逆になにかマイナスなことがあるのなら負債で計上しておくという感じですね。
問題で確認してみましょう。
例.
商品100,000円を注文し、内金として20,000円を現金で支払った。
このへんになってくると問題文の中に2つの金額が入ってきたりします。
どちらの金額を使って仕訳をするか。今現在でどんな取引を行っているかをきちんと想像して理解しなくてはいけません。
この問題の場合、商品100,000円を注文しただけであって実際に商品の動きや金銭の動きはありません。対して内金の20,000円に関しては現金を支払ったという金銭の動きが発生しています。
なので100,000円のほうの仕訳は行いません。約束をしただけであって何も動いていないからです。
なので答えを確認すると
借方 | / | 貸方 | ||
---|---|---|---|---|
前払金 | 20,000 | / | 現金 | 20,000 |
このようになります。
現金が少なくなって、支払ってある内金が増えたということです。
この後、実際に商品の動きがあります。
例.
商品100,000円を受け取り、代金のうち20,000円は注文時に支払った内金と相殺し、残額は掛けとした。
仕訳の予想はつくでしょうか?
借方 | / | 貸方 | ||
---|---|---|---|---|
仕入 | 100,000 | / | 前払金 | 20,000 |
買掛金 | 80,000 |
このようになります。
支払った前払金を減らし、残額が買掛金となります。
今回は商品をやりとりしているので買掛金ですね。これが商品以外だったら未払金になります。
次は逆の立場を考えてみましょう。商品を注文されて先にお金を受け取った場合です。
例.
商品100,000円の注文を受け、内金として現金20,000円を受け取った。
借方 | / | 貸方 | ||
---|---|---|---|---|
現金 | 20,000 | / | 前受金 | 20,000 |
はい、こちらです。借方貸方の間違いに気を付けましょう。
その後の商品の受け渡しですが
例.
商品100,000円を渡し、代金のうち20,000円は注文時に受け取った内金と相殺し残額は掛けとした。
借方 | / | 貸方 | ||
---|---|---|---|---|
前受金 | 20,000 | / | 売上 | 100,000 |
売掛金 | 80,000 |
このようになります。
ここまで読んだ方なら楽勝でしょうか。
ここらへんから問題文中に2つ3つ金額が出てきますが、実際に現在どのようなことが起こっているのかをしっかりと考えて、どのように仕訳で表現すればよいか考えていきましょう。
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