30歳目前サラリーマンがセミリタイアを目指す

社会人8年目の30歳目前のサラリーマンがセミリタイアを目指し、節約や投資を頑張る日記です

簿記 その他の債権債務 仮払仮受・立替金・預り金・商品券・差入保証金

どうも、ユウです。

 

前回はその他の債権債務を確認しましたがその続きになります。

 

仮払金・仮受金

今回は何の項目で支払ったかが分からない。何のお金をもらったか分からないという場合の仕訳です。

 

新しい勘定科目は

 

「仮払金」(資産)

 

「仮受金」(負債

 

になります。

 

先の説明と勘定科目の名前でなんとなく察しが付くでしょうが、仮に支払ったことを記録しておく。または仮に受け取ったことを記録しておくようなイメージですね。

 

 

早速例題で確認しましょう。

 

例.

従業員の出張のため、旅費交通費の概算額50,000円を現金で前渡しした。

 

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勘定科目で旅費交通費と処理をしたくなりますが、まだこの段階では旅費交通費に使用していません。

 

なので一旦仮払金で処理をしておきましょう。

 

 

 

借方 / 貸方
仮払金 50,000 / 現金 50,000

 

 

このような形になります。

 

 

さて、従業員が出張から帰ってきて清算を行います。

 

お金を渡してそのまんまにするということはありませんからね。

 

 

例.

従業員が出張から戻り、概算支払額50,000円のうち旅費交通費として40,000円支払ったと報告を受け、残額の10,000円は現金で受け取った。

 

 

さて、どのような仕訳になるでしょうか。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

借方 / 貸方
旅費交通費 40,000 / 仮払金 50,000
現金 10,000

 

このようになります。

 

仮払金が消えてそれぞれ現金と旅費交通費に振り分けられます。

 

 

 

 

次は仮受金です。

 

早速例題で確認しましょう。

 

 

例.

出張中の従業員から当座預金口座に100,000円の入金があったが、その内容は不明である。

 

 

会社に一言言えよとは思いますが、仕方ないです。この従業員はきっと忙しいんですね。そう思いましょう。

 

 

この取引の場合は当座預金が増えているのは確かですが、その内容が分かりません。

 

なので仮受金を使って一旦処理しておきます。

 

 

 

借方 / 貸方
当座預金 100,000 / 仮受金 100,000

 

 

負債としてなんだか分からない金額が増えました。

 

この後従業員に問いただしましょう。

 

 

例.

従業員が出張から戻り、先の当座預金への入金100,000円は得意先から売掛金を回収した金額だという事が判明した。

 

 

電話しろよという突っ込みはなしにしましょう。

 

 

さて、先に処理をしておいた仮受金の内容が分かりました。なので適切な仕訳に直しましょう。

 

直すといっても前の仕訳を訂正する訳ではありません。新しく仕訳をして適切な仕訳に戻すのです。

 

 

 

 

 

 

借方 / 貸方
仮受金 100,000 / 売掛金 100,000

 

答えはこのようになります。

 

仮受金を消して、売掛金を減らす。ということですね。

 

 

 

立替金

さて、次は立替金です。

 

読んで字のごとく、相手のお金を立て替えたときに使用する勘定科目です。

 

「立替金」(資産)

 

の科目になります。

 

 

 

実際どのような場面で使うのか例題を見てみましょう。

 

 

例.

商品を100,000円仕入れ、代金は掛けとした。なお、引取運賃(先方負担)500円を現金で支払った。

 

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先方というのはこちらから見た仕入先のことですね。仕入れ先が本来負担すべきお金をこちらで一旦立て替えておくということです。

 

実際の仕訳を確認しましょう。

 

 

 

 

借方 / 貸方
仕入 100,000 / 買掛金 100,000
立替金 500 現金 500

 

このような仕訳になります。

 

 

ちなみに以前の記事でこちらが仕入諸掛りを負担した場合の処理を解説しましたが、間違えないようにしてください。

 

yu-id.hatenablog.com

 

また、問題によっては「立替金」の勘定科目を使用しないで処理をする場合もありますので問題文はよく確認するようにしてください。

 

この場合の仕訳は買掛金から立替分を減額して計上するので、

 

 

借方 / 貸方
仕入 100,000 / 買掛金 99,500
現金 500

 

このようになります。あまり問題では見ないですが頭の隅に置いておきましょう。

 

 

 

 

 

また、仕入れだけでなく売り上げのほうでも諸掛りが出る場合がありますので、そちらも確認しておきましょう。

 

 

例.

商品200,000円を売り上げ、代金は掛けとした。なお発送運賃(先方負担)1,000円を現金で支払った。

 

 

このような問題が出た場合はどのようにすればよいでしょう。

 

 

 

 

 

 

借方 / 貸方
売掛金 200,000 / 売上 200,000
立替金 1,000 現金 1,000

 

先ほどの問題と同じような感じですね。立て替えて支払った部分を立替金として処理します。

 

 

こちらも問題によってですが売掛金に含めて処理する場合がありますのでしっかり問題文を読んで使うか使わないかを確認しておきましょう。

 

 

 

 

借方 / 貸方
売掛金 201,000 / 売上 200,000
現金 1,000

 

 

売掛金に含めて処理した場合の仕訳はこちらです。

 

立て替えた部分も売掛金も同じ後からもらえるお金なのでこのような形になります。

 

 

 

 

従業員立替金

立替金の使いどころは意外と多く取引先だけでなく従業員に対しても使ったりします。

 

従業員が支払わなくてはいけないものを代わりに払ったときも同じ立替払いですからね。

 

 

例題を見ましょう。

 

 

例.

従業員が負担すべき生命保険料10,000円を現金で支払った。

 

 

これも会社からしたら立替ですね。なので先ほどと同じように処理しましょう。

 

 

 

借方 / 貸方
従業員立替金 10,000 / 現金 10,000

 

はい、このようになります。

 

通常の立替金とは区別をするために頭に「従業員」を付けておきます。

 

 

この立替金、そのままにしておいてもいいですが給料から天引きしてしまっても問題はないでしょう。

 

なので給料の際に天引きをします。

 

 

ちなみに給料は

 

「給料」(費用)

 

になります。

 

 

 

例.

従業員に支払う給料200,000円のうち、先に立て替えた10,000円を差し引いた残額を現金で支払った。

 

 

仕訳を考えてみましょう。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

借方 / 貸方
給料 200,000 / 従業員立替金 10,000
現金 190,000

 

このようになります。

 

皆さん分かりましたか?

 

 

預り金

続いて預り金です。

 

これは少しピンとはこないかもしれませんが、なにかのお金を預かった場合に使用する勘定科目です。

 

「預り金」(負債)

 

になります。

 

 

実際に取引で確認しましょう。

 

 

例.

給料200,000円のうち、源泉徴収税額2,000円を差し引いた残額を従業員に現金で支払った。

 

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このような場合ですね。サラリーマンの方ならなんとなく分かると思います。

源泉徴収税額」とは給料明細に記載されている「所得税」や「源泉税」というやつですね。

 

あれは会社が従業員から税金を預かって、まとめて納付しているんですね。

 

なので会社からみたら従業員から預かっているお金ということになります。

 

 

仕訳で確認していきましょう。

 

 

 

借方 / 貸方
給料 200,000 / 預り金 2,000
現金 198,000

 

 

このようになります。

 

そして会社はこの預かった税金を納付しなくてはいけません。

 

 

例.

預り金として処理していた源泉徴収税額2,000円を税務署に現金で納付した。

 

 

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なんとなく仕訳が思いつくでしょうか?

 

 

 

借方 / 貸方
預り金 2,000 / 現金 2,000

 

このようになります。

 

あくまで従業員の所得税は会社を通って行っているだけなんですね。

 

 

 

商品券

次は商品券です。

 

こちらはあまり問題で見ることは少ないですが、確認していきましょう。

 

商品券とは自治会とか図書カードとかそういう物ですね。お金とは違うけど後で現金に換えられるので資産の項目になります。

 

「受取商品券」(資産)

 

 

例.

商品15,000円を売り上げ、自治体で発行した商品券5,000円と現金10,000円を受け取った。

 

 

今まで勉強したことを活かせばこの仕訳くらい余裕ではないでしょうか。

 

 

借方 / 貸方
受取商品券 5,000 / 売上 15,000
現金 10,000

 

 

このようになります。

 

この後、商品券を自治体に持っていき現金に換えてもらいましょう。

 

 

例.

所有している自治体発行の商品券5,000円を買い取ってもらい、代金は現金で受け取った。

 

 

 

借方 / 貸方
現金 5,000 / 受取商品券 5,000

 

このようになります。

 

 

差入保証金

最後に差入保証金を確認しましょう。

 

こちらの差入保証金とは、身近なところで言うとアパートや借家の敷金です。

 

保証金として一旦相手に預けておいて、終わり次第お金を返してもらうものを指します。

 

敷金もアパートや借家から出ていくときは戻ってきますよね?(最近は敷金礼金0の物件が多いですが)

 

なので戻ってくるお金を資産に計上しておくわけです。

 

「差入保証金」(資産)

 

になります。

 

 

 

例.

店舗の賃借にあたって、敷金100,000円を現金で支払った。

 

 

 

借方 / 貸方
差入保証金 100,000 / 現金 100,000

 

このようになります。戻ってくるお金は賃借料で費用として処理してはいけません。注意しましょう。

 

 

ちなみにこちらが戻ってきた場合の仕訳は

 

 

借方 / 貸方
普通預金 100,000 / 差入保証金 100,000

 

こちらになります。(借方の普通預金は問題文中に出ていた場合)

 

 

 

今回の解説は長くなってしまいましたが、ざっとで読んでおいて頭の隅に置いておくだけでもいいと思います。

 

とっさの時に「こんなことやったな」くらいで覚えておきましょう。

 

 

 

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