どうも、ユウです。
今回は貸倒れに関してやっていきたいと思います。
まず貸倒れとは何か。というところですね。
貸倒れとは簡単に言うと、売掛金等がある会社や取引先が倒産などをしてしまい、その代金の回収が出来なくなってしまったことを言います。
倒産されたら裁判をやるにしてもお金をもらうことはあきらめるしかないですからね。
こういったことがあった場合どのように処理をすればいいのか。やっていきましょう。
貸倒損失
例.
得意先A社が倒産し、売掛金100,000円(当期に発生)が貸し倒れた。
さきほどの説明で考えると
「A社が倒産してしまい、今年に発生した売掛金100,000円が回収できなくなってしまった。」
という感じでしょうか。
貸倒れが起こった。売掛金が回収できなくなったということはこちらの会社からしたら「損失」があったという事です。
なので
「貸倒損失」(費用)
の勘定科目を使って処理をしていきます。
借方 | / | 貸方 | ||
---|---|---|---|---|
貸倒損失 | 100,000 | / | 売掛金 | 100,000 |
売掛金が回収できなくなってしまったので100,000円減ってしまいました。そのお金はこちらの会社からしたら損失です。なので貸倒損失が100,000円増えました。
という表現になります。
ここまではそんなに難しくないでしょう。
貸倒引当金の計上
貸倒れはいつどの会社で起きるかが分かりません。
なので決算の時にあらかじめ、その金額を見越して費用計上することができます。
その場合に引当金という言葉を使って資産のマイナスとして計上し、翌期以降に繰り越します。
「貸倒引当金」(資産)
「貸倒引当金繰入」(費用)
少し難しいかもしれませんが、例題を見ながらやっていきましょう。
例.
3月31日 決算日において、売掛金の期末残高500,000円について2%の貸倒引当金を設定する(差額補充法)
初見の方はもう何を言っているのかまるで分からないと思います。
「決算になったので、現在ある売掛金の2%が貸し倒れるということを見越して費用としてあらかじめ計上しておく」
という風に読み解けばある程度分かるでしょうか。
ちなみに、この貸倒引当金の計上は毎年行います。その金額が前期末の決算で計上した貸倒引当金から足りない金額を計上する。または多く計上している金額を減らす。というやりかたが「差額補充法」になります。
この問題の場合は前期末の情報が無いので、貸倒引当金の計上はされていないのでしょう。ということで仕訳を考えていきましょう。
借方 | / | 貸方 | ||
---|---|---|---|---|
貸倒引当金繰入 | 10,000 | / | 貸倒引当金 | 10,000 |
仕訳はこちらになります。
金額は500,000×2%で出ますね。
おそらく今まで順調に簿記の勉強をしてきた方は違和感がある仕訳になっているはずでしょう。
貸方に計上されている貸倒引当金は貸方でいいのか。資産ではないのか。そう思えたら大正解です。
貸倒引当金は貸方に残高が残って正解なのです。貸倒引当金は売掛金や受取手形などの債権を貸借対照表上で間接的にマイナスするものになっています。
決算時に2%分の貸倒れが起こることを見越して計上しているのでその分の売掛金や受取手形は減っているべきだからです。
さて、次の問題ではどうでしょう。
例.
3月31日 決算日において、売掛金の期末残高500,000円について2%の貸倒引当金を設定する。なお、貸倒引当金の期末残高は4,000円である(差額補充法)
今回は期末残高があります。
ちゃんとこの記事を読んでいる方なら仕訳は簡単にできるでしょう。
借方 | / | 貸方 | ||
---|---|---|---|---|
貸倒引当金繰入 | 6,000 | / | 貸倒引当金 | 6,000 |
仕訳はこちらになります。
この金額はどこから来たのかですって?
ちゃんと上の記事を読みましたか?
貸倒引当金の計上は差額補充法で行うように問題で指示が出ています。
なので
500,000×2%=10,000
この10,000は貸倒引当金の最終的な金額になるわけです。しかし期末残高として4,000残っていますので差額の6,000を使って仕訳をするわけです。
10,000円で仕訳をしてしまうと期末残高が14,000円になってしまい、数字が狂ってしまいます。注意してください。
逆に期末残高が計算した金額よりも多く引当金が計上されているときは取り崩さなければ金額を合わせられません。
その場合には
「貸倒引当金戻入」(収益)
の勘定科目を使用します。
貸倒れ引当金は苦手とする受験者が多いと思います。
現に私が通っていた専門学校の同級生も理解に時間がかかっていました。分からない場合はしっかりと問題文を読んで分かるまでとことん解くことをおススメします。
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