どうも、ユウです。
前回の記事では固定資産と減価償却費について解説をしましたが、今回はその続きとなります。
前回の例題では期首(決算後の1日目)で固定資産を取得した場合の減価償却費の求め方、仕訳をやりましたが実際問題、期首に固定資産を取得することなんてありません。基本的に期中での取得になります。
なので今回は期中で取得した場合などを解説したいと思います。
固定資産を期中で取得した場合
固定資産を期中で取得した場合の仕訳に関しては、前回の記事と一緒なので割愛させていただきます。
期首と期中の取得で何が変わるかというと減価償却費です。
4月1日に車を購入した場合と12月1日に購入した場合だと使用している期間が異なりますよね?なので減価償却費もそれに応じた金額にしなくてはいけません。
例題で確認しましょう。
例.
×2年3月31日 決算につき、×1年12月1日に購入した車両運搬具(取得原価1,000,000円)について減価償却を行う。なお、減価償却方法は定額法(耐用年数5年、残存価額は取得原価の10%)、記帳方法は間接法による。
長ったらしい問題ですね。でも一つ一つ重要な処理の方法が書いてありますのでしっかり読み解きましょう。なんとなくで流し読みをして問題を解くとケアレスミスの原因になります。
仕訳をする前に減価償却費の金額を求めないといけないですね。まずは前回の記事のやり方通り計算してみましょう。
(1,000,000-1,000,000×10%)÷5
ここまでは大丈夫でしょうか。
この式で計算をすると減価償却費の金額は180,000円になります。
でもここで金額が計算できたからと言って急いで仕訳をしてはいけません。この減価償却費の金額は1年間使った場合の金額になっているからです。
車両は12月1日から使用しているので、12、1、2、3月と4か月しか使用していません。なので月割計算をして減価償却費を4か月分にしましょう。
180,000×4÷12
この式を計算すると4か月分の減価償却費は60,000円ということになります。
ここは問題を解くことに焦ってしまいミスをすることが多いポイントになりますので気を付けましょう。「資格試験の問5」などで多い決算の問題で1年分の金額で仕訳をしてしまうと何か所か間違えることになってしまいます。
はい、本題に戻って金額が計算できたので仕訳をします。
方法は「間接法」と記載がありましたね。なので減価償却累計額を使用します。
借方 | / | 貸方 | ||
---|---|---|---|---|
減価償却費 | 60,000 | / | 減価償却累計額 | 60,000 |
これで減価償却が完了しました。
うっかり月割計算をするのを忘れることが多いので気を付けましょう。
固定資産の売却
次は固定資産を売却した場合です。
建物や車両など永遠に使うことは不可能ですからね。いずれは手放さなくてはいけません。その時の仕訳になります。
もちろんその時に「高く売ることが出来た。」「安く売ることになってしまった。」という場合があります。その時に使用する勘定科目が
「固定資産売却益」(収益)
「固定資産売却損」(費用)
です。
読んで字のごとくかもしれませんが、「固定資産売却益」は高く売ることが出来て儲かった時。「固定資産売却損」は安く売ることになってしまい損をしてしまったときに使用します。
例題で見てみましょう。
例.
×5年3月31日 車両(取得原価1,000,000円、減価償却累計額720,000円、間接法で記帳)を300,000円で売却し、代金は月末に受け取ることとした、なお、当社の会計期間は4月1日から3月31日までの1年間である。
決算が過ぎて、要らない車両の処分をしたんですね。
少し仕訳を考えてみましょうか。
なんとなく仕訳が思い浮かんだでしょうか。
借方 | / | 貸方 | ||
---|---|---|---|---|
減価償却累計額 | 720,000 | / | 車両運搬具 | 1,000,000 |
未収入金 | 300,000 | 固定資産売却益 | 20,000 |
答えはこちらになります。
ひとつひとつ考えれば簡単でしょうか。資産に計上されている車両運搬具を1,000,000円減らし、それに対する減価償却累計額を720,000減らし、代金がもらえるということで未収入金を借方に計上して差額が固定資産売却益となります。
減価償却は決算処理でかなり重要な項目になります。なので何回も問題を解いて理解を深めることが重要になります。
この項目はまだ続きますので、関係する記事も含めて何回も確認してください。
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